家族や住居などを一瞬にして奪う大規模災害。平穏な日常が一変し、多くの人が不安やストレスを抱きながら避難生活を送ることになります。それは子どもも同様で、長引くほど心の傷が広がったり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になる恐れもあります。実際に、東日本大震災後、おねしょや吐き気、夜泣きなど普段の生活ではあまり見られなかった症状が子どもたちに見られたそうです。
さて、そんなとき周りの大人達はどんなことをしてあげればよいのでしょう。今回は避難所でも簡単にできる気分転換やスキンシップの方法をご紹介します。
わらべうた・手遊び
わらべうたや手遊びはおもちゃや道具を使わないので、いつでもどこでも行えます。また「こちょこちょ」など体をさわったり、「たかいたかい」などで体を動かしたり、「動物の鳴き声や車の音のモノマネ」で音や声を聞かせてあげたりすると、歌の意味がわからない小さな子でも楽しませてあげることができるのでおすすめです。
リトミック
リトミックとは、音楽に合わせて運動し音感を養うことです。例えば、リズムに合わせて手を叩いたり、足踏みをしてみましょう。あっというまに、自分が楽器になっちゃいました。また木の枝や、段ボール箱を拾って叩いてみましょう。要らないものでも楽器に変身してしまいます。叩くスピードや力の入れ具合を変えるなど工夫して遊んでみてくださいね。
昔ばなし
絵本が好きな子には昔ばなしをしてあげてはどうでしょう?うろ覚えのものでも構いません。自分なりにアレンジして聞かせてあげたり、一緒にオリジナルの物語を作るのも楽しいです。子どもたちの豊かな想像力を引き出してあげましょう。
身近なものを利用して
例えば布団のシーツ。四隅を持ってバタバタさせたり、ふわふわさせたり。はたまた下をくぐってみたり、仰向けに寝そべってみたり…。普段見慣れているものでも、普段と違う使い方をすると子どもたちは大はしゃぎします。
親子のふれあいは、子どもだけでなく自分自身の心も落ち着かせてくれることでしょう。また、他の子と一緒に遊ぶことで、さらに気分転換になったり、連帯感が生まれることもあります。とはいえ、震災後は心が不安定なときなので、一緒に遊ぶことを無理強いすることは禁物です。その日の子どもたちの体調や気持ちを理解し、寄り添う気持ちを持って接してあげましょう。
コラム作成者:NPO法人こどもねっといしい理事長 仁木喜久美